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10月のインボイス、70%控除への切替を月次決算でどう処理するか

2026年10月から、未登録先への支払に係る仕入税額控除は80%から70%へ。税区分の更新、月をまたぐ取引、1億円上限の開始時期を、仕訳と資金繰りの例で整理します。

ACCOUNTING / 会計
月次の切り替えを表す白い和紙の帳簿と朱赤の仕切り

主な一次資料の公表:2026-04-01。適用・施行時期は本文に記載。

10月に変わるのは、取引額に掛ける税率ではなく控除割合

2026年10月1日から、インボイス未登録の取引先からの課税仕入れに適用する経過措置の控除割合は、80%から70%に変わる。国税庁は4月1日に令和8年度税制改正特集を公開した。改正前の「10月から50%」という予定を残した会計設定や見積書は更新が必要だ。70%は2028年9月末まで、その後は50%、30%と段階的に縮小する。[1]

直接影響するのは、実際の仕入税額で納付額を計算する一般課税の買手だ。簡易課税や2割特例を使う場合、この変更による納付額への影響は同じ計算にはならない。また、給与や住宅家賃など、そもそも課税仕入れに該当しない支出へ70%を掛ける処理はしない。[4][6]

税込11万円の外注費なら、控除できる額は1,000円減る

次は、10%対象の外注費で、仕入税額を全額控除できる課税売上に対応し、全額が当期費用となる取引の概算例だ。税込11万円に含まれる税額相当額は、11万円×10/110=1万円。9月の80%控除なら8,000円、10月の70%控除なら7,000円を控除する。税抜経理の仕訳例は、借方「外注費103,000円・仮払消費税等7,000円」、貸方「買掛金110,000円」となる。[7]

支払額11万円が据え置かれても、控除できない額が2,000円から3,000円へ増える。同じ条件の対象仕入れが毎月税込550万円ある会社なら、控除減少は月5万円、12か月で60万円の概算だ。消費税の申告時の端数処理や課税売上割合等は省いている。税額の増加を取引先の請求額の増加と混同せず、納税資金の予測に反映したい。

税込11万円の外注費の比較例(税率10%・税抜経理)
項目2026年9月2026年10月
税込支払額110,000円110,000円
控除割合80%70%
仮払消費税等8,000円7,000円
外注費102,000円103,000円

請求日や振込日だけで、80%と70%を振り分けない

適用割合は課税仕入れの時期で判定する。役務は原則として約した役務全体の完了日、商品の仕入れは原則として引渡日が基準となる。たとえば9月着手・10月完了の制作業務は、9月の発注書があっても原則70%となる。月をまたぐ請求書は、請求書一枚を同じ割合で処理してよいかを明細と納品記録で確認する。[2]

経過措置には、所定事項のある請求書等と、経過措置対象である旨を記載した帳簿の保存が必要だ。さらに1先からの対象仕入れの上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から税込1億円となり、超過部分は対象外となる。通常の3月決算法人なら、控除率は2026年10月に変わる一方、新上限は2027年4月開始期から適用される。二つの切替日を分けて管理する。[3]

9月中に作る確認表

実務では、対象先ごとに「登録状況、課税仕入日、税込金額、税率、控除割合、証憑の保存先」を一行にまとめる。まず定期仕訳と自動取込ルールを抽出し、10月以後の分へ70%の税区分を設定する。次に9月末納品、10月初納品、月またぎ役務の三例を試算し、元帳の仮払税額と照合する。

10月の締めでは、対象取引の件数と金額を前月から増減分析し、割合変更の影響と外注量の増減を分ける。価格交渉の資料にも、税込支払額と控除後の負担を並べておけば、税制変更の影響額を数量や単価の変化から切り分けて説明できる。

設定変更を担当者の記憶に頼らせないため、変更日、対象の税区分、検証に使った伝票番号、確認者も一緒に残す。請求書の受領担当と記帳担当が別なら、納品日や役務完了日を誰が確認するかまで決めておく。翌月以降の差戻しを減らせる。

一般的な制度・実務の解説です。個別取引への適用は、条件と最新の資料を確認してご判断ください。

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